貧乏から抜け出すには教育が必要だった
僕の家庭は幼い頃から貧乏のどん底だった。父親は結婚したくないし母親は高校生で僕をはらんでいる。父の両親は結婚には大反対。そんな中で産まれたので、最初の記憶は両親の大げんかだった。毎日のように喧嘩して暴力を振るわれ、あざだらけの母親を見て育った。
父親は毎夜、居酒屋などでお酒を飲んで食事をして酔っ払って帰宅しては暴言や暴力を振るっていた。家にお金を入れることもなく僕と母親は食べるにも事欠く始末だった。台所で料理しようにも食材がないので泣いている母親が不憫だった。
保育所に通う頃から、近くの畑に捨てられている野菜などを拾ってきたり、ミカン畑で捨てられているミカンを拾ってきたりしていた。ぬか漬けにすればミカンの皮も美味しく食べることができた。いつか、お金持ちになって母に楽をさせたいと思った。
母親がお金持ちになりたければ学を積み性格を磨けと教えてくれた。特に、性格には厳しく愚痴を言ってはいけない、つまらないことで腹を立ててはいけない、出された食事はすべて食べて感謝の言葉をかけなさい、未来をしっかり見なさい…
おかげで僕は曲がることなく素直に生きてきた。他人の幸せを創れる人はお金と人が自然と寄ってくるが、自分の幸せを優先すればお金も人も自然と逃げていくなどと教えてくれた。お金持ちになるには知識より性格が大切なのだと73歳にして思う。
知識がなくても、知識のある人が喜んで僕といっしょに仕事をしてくださる。能力のある人たちが集まって来てくださり、僕の会社は全国規模になった。会社はひとりでは大きくできない。多くの人の助けがあって初めて成り立つ。やはり、人を大切に生きてきたことが今の僕を支えている。


