社長は孤独で当たり前
社長と云うのは、法律においても従業員とは一線を画している。従業員は雇われの身であり、社長は雇う人であり、労働基準法を順守しなければならない立場の人である。取締役と云っても社長以外は会社の契約書の保証人になるわけでなく、いつでも辞められる存在だが、社長は辞めるにはしがらみがあり、辞めても保証したものはついてくる。
役員や従業員と仲良くなっていても、そこには明確な一線が引かれていることを僕はいつも意識している。彼らが仲間だと感じていても、会社の中で僕は彼らの幸せを創り守る立場の人間であり、彼らとは立場が違う。社長は孤独だからとクラブやゴルフや経営者セミナーで嘆いている人がいるが、孤独で当たり前、仲間に入って経営はできない。
親は子供とは立場が違うし、先生は生徒とは立場が違う、監督は選手とは立場が違うように、社長もまた従業員とは立場が違う。守るべき人たちがいて、彼らを守るために両手を広げて一人立ち、彼らを幸せに誘導する責任がある。そのために、ひとり勉強し、働き、スキルを磨き、ハートを鍛え、誰よりも努力していなければならない。
社長が新入社員に、「僕はこの会社ではひとりで、とっても寂しい思いをしている。」などと言ってはダメ社長の烙印をみずから押しているようなもの。「この会社の従業員は僕を信頼していないから君に任せたい!」などと言っても同じこと。お父ちゃんはお父ちゃんらしく、先生は先生らしく、監督は監督らしくなければ誰も就いて来てくださらない。