企業売買(M&A)では詐欺も横行している
日本企業の経営者の高齢化に伴い、黒字なのに廃業する会社も増えている。後継者がいないからで、それなら誰かに会社を売って経営してもらえればと企業売買を専門にしている会社に連絡を取る。企業の売買会社は無免許で開業できるので胡散臭い会社もたくさんある。
正常な会社では売り手と買い手の会社から、それぞれ売買金額の5%~10%の手数料を徴収する。売買金額が1億円なら、それぞれ500万円もらうので、併せて1000万円の儲けになる。高いところではそれぞれ1000万円ずつになる。無免許ではかなりの儲けになる。
これでもひどい話だが、こうした会社では売り手の会社を買い取って、多額の借金を元の社長名義で借り入れてお金だけを抜き取って会社を放置する。借金の保証人になっている元の社長さんは、途方に暮れて社員さんに謝るばかり。こんなM&Aの会社もあるので要注意。
自分のところは小さな会社だから大丈夫とは思わないこと。買いとった会社から設備投資や従業員の福利厚生などで多額の借り入れをしなければならないが、あなたも保証人になって欲しいなどと言われて保証人になれば、お金をもって逃げられる。
路頭に迷う従業員は元社長に駆け寄って来る。保証人になっている元社長には金融機関から矢のような催促が来る。買収した会社は、今は再生計画の最中だからと言われて突き放される。そうこうしているうちに買収先の会社は消えてしまう。
買収先の企業が見つからないのに売ってください、あなたの会社を欲しがっている会社がある、あなたの会社と業務提携できないかという会社があるなどと偽って会いに来る。電話、メール、お手紙など手段は選ばない。こうした企業はかなり慎重に対処するべきだ。