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昭和の子供は、ひとりでお買い物をしていた

テレビ番組で人気なのが、「はじめてのお使い」で、3歳から5歳の幼い子供がお母さんからお使いを頼まれて行くという番組。昭和28年生まれの僕には驚きで、これが番組になるほど今の子供はお使いをしないのかと思った。

 

僕は3歳から土間に立ち母親のお手伝いをしていたし、外ではタライに水をはって洗濯板に洗濯石鹸を使って洋服などを洗っていた。頼まれて街に出て商店街でお買い物をすることなど日常茶飯事だった。どの家の子供も、それが当たり前の時代だった。

 

隣近所も皆さん貧乏で、醤油などなくなれば、お隣に行って「醤油を分けてください」と言うのは僕の仕事だった。お隣の方も醤油など快く分けてくださった。街には子供たちがたむろして遊んでいたが、親が見守ることなどまったくなかった。

 

どこに行くのも一人だったし、それが当然の事、通学を親に送り迎えしてもらった同級生など見たことがない。もちろん、塾に行っている裕福な子供でさえひとりで通っていた。ころんでもケガしてもひとりで立ち上がって唾をつけて遊んでいた。

 

友達と遊んで家に帰るのも暗くなり始めてからで、時計など持っていない。父親が帰宅してから夕飯を家族で食べる。食べ残しは許されないが、いつも空腹で何でも食べるので好き嫌いなど言っていられなかった。お菓子など食べることなど冠婚葬祭などの時だけ。

 

外で遊んで怪我をして、友達と喧嘩して仲直りして、親に怒鳴られ逃げ出して、山に陣地を作って遊んで、学校ではまともに勉強せず、友達と放課後何をして遊ぶか話し合う日々。そうして生きることの何かを学んでいったように思う。

 

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