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雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す

 

若い頃、銀行に行って融資のお願いをしたら100万円の融資を受けたければ、100万円の定期預金をしてくださいと言われたことがある。担保や保証人を入れても返済の保証がないとき、銀行はこうした態度をとる。自宅の購入で住宅ローンを申し込んだときも審査が通らなかった。

 

銀行は、雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸すような態度をとるのを体験した。愚痴を言っても始まらず、それ以後、僕は無借金経営を心掛けている。金融機関は儲けている会社には融資の案件を持ってくるが、赤字経営の会社には返済を迫っても追加融資は通らない。それが銀行本来の態度で貸す方にすれば当然のこと。

 

企業経営者で、銀行や信用金庫を頼りにしている方は多くいる。借金すれば利息分は経費として認められているので、借金して自社ビルを建てて減価償却で更に経費算入して節税するのが賢い経営者のやることだと教えている。しかし、僕は赤字になったとき、自社ビルは買いたたかれ返済は待ってくれないことを知っている。

 

会社が儲かると法人税などを支払う。残りを会社に現金で残しておくと、かつては剰余金課税で二重に徴収するので、経営者は儲けたお金をできるだけ使うようになる。行政の予算と同じ使い方をすれば赤字のときに国は赤字国債を発行すればよいが、会社はそうはいかない。銀行は大企業に甘く中小企業には辛い。

 

経営者は、資金繰りに困る前に資金繰り表を作って資金ショートしないように対応していく必要がある。しかし、多くの経営者はゴルフや接待、法人会の付き合い、各種セミナーへの参加などで忙しくしているのでそれが社長の仕事だと勘違いしている。贅沢な社長室に高級車、ゴルフにリゾートホテル巡りで儲かるほど経営は甘くない。

 

 

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