儲ければ何をしても良い?
日本企業の不正が横行している。企業経営者は儲けることに喜びを感じるものだが、そのためにお客様をダマしていれば、それはルール違反になる。賞味期限の不正、産地偽装、検査偽装、詐欺、架空取引…企業経営者は、儲けるために手段を選ばないような態度をとってはならない。
企業経営者が集まれば、脱税まがいの話になることが多い。税前利益が1千万円を超えるので、何とか納税額を減らしたい。そこで、会社の経費で高級セダンを購入し、社長の自宅を社宅にし、豪華な自社ビルを建てる。できるだけ多額の借り入れをして納税額をほとんどなしにする。
僕は、こうした節税策をいっさいやらない。納税して会社に剰余金を積み増して自己資本比率を上げるようにしている。まさかのときに借り入れをしていれば返済に窮するが、銀行は追加融資に応じるとはかぎらない。災害時に、剰余金があれば自己資金で復興することができる。
本来、会社の利益は投資に回すべきで、投資とはお金を出してもそれ以上のお金になって戻ってくることを意味している。自社ビル、高級車、高級マンション、リゾート会員権など一銭の利益も出せないものに資金を出すのは、企業経営者としてやってはいけないこと。
少しでも儲けがでるようにデジタル化を進めたり、新規事業に挑戦したり、社員のスキルを高める実学講習会を開いたりして会社をしっかり運営できる体制を構築するべき。欧米では当たり前で、企業研修はかなり高度なスキルや知識の内容になっている。