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給与の大幅引き上げで欧米の標準に合わせる?

 

日本では年に2度のボーナスがあり、これと月給が合わさって年収として従業員の所得が決まる。欧米ではボーナス支給がなく、月収のみでこれに成果給が付くことがほとんど。日本も欧米に合わせて給与体系を見直す企業があるが、そうなればボーナス支給はなくなる。

 

例えば、初任給23万円ボーナスが年に2度合わせて60万円給与として支払っている会社なら年間336万円の所得がある。ボーナスなしの月収制度に直せば28万円となる。そこで、この会社が欧米にあわせて給与を28万円にすると発表しても人件費は何ら変わらない。

 

月収だけで判断すれば、22%アップだと発表できる。マスコミも、1.2倍の大幅月収の上昇と発表すれば受けは良い。しかし、年収で判断すれば0%アップになる。数字のマジックだが、これに騙されて就職しようとする若者も多いのではないだろうか。

 

欧米では同一賃金同一労働なので、昇給を期待するには、自分が会社にもたらした利益が前年よりも増えたことを証明しなければならない。同じ仕事で同じ収益なら昇給はいつまでたってもない。欧米並みにするということは、日本のサラリーマンにはリスクのある制度になる。

 

世界中どこでも儲けている企業は給与も多いが、儲けていない企業は給与も低い。会社の業績は従業員全員の働きで得たもので、それが高収益なら分配される給与も多くなる。その会社で働くひとりひとりがどれほどの儲けを出しているのかを考えて働くことが給与アップにつながる。

 

どんなに長年働いても、どんなに長時間働いても、儲からなければ高い給与は出せない。これからの日本人は、自分がこの会社で働いて儲けている金額を提示して、これだけの給与をくださいという時代になってきているのかもしれない。ひとりひとりの儲けにつながる働き方が問われる時代になったということだろう。

 

また、欧米では業績に関係なく簡単に解雇される。業績が悪ければ減給もありうる。リストラは日常茶飯事で、大量解雇もよくあること。ただし、再就職支援のための職業訓練の学びは中途半端な日本の学習支援とは大違いで、企業が求めるスキルや知識がつくように多岐にカリキュラムが組まれている。

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