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持ち家か賃貸か?

 

日本は戦後(第2次世界大戦後)、持ち家が当たり前になったが、それまでは賃貸が基本だった。僕の祖父も賃貸の長屋暮らしをしていた。父親は戦後復興住宅で暮らしていたが、これも賃貸だった。高度成長時代になり、住宅不足から賃貸だけでは追いつかなくなり団地などで持ち家が普及しだした。

 

都会では木造2階建ての文化アパートが多く建てられ、そこで暮らす人々が、給与が増えるにしたがって郊外の戸建てを購入するようになった。何しろ、都心は公害がひどく洗濯物も外に干せば黒く汚染されたし、街を歩けば鼻に粉塵がびっしり付いていた。ぜんそくに苦しむ子供達もいる。

 

戦後の復旧を急ぐあまり、宅地造成はその場しのぎの急ごしらえで、いつ崩壊するかもしれない工事の確認申請でも通った。道は狭く、消防車や救急車が入れない宅地造成もあったし、行き止まりの道があちこちにできた。2間(3.6m)間口の狭小住宅が飛ぶように売れていった。電信柱に「駅近、6,6,4半 新築物件」などという張り紙があった。

 

木造の建売住宅は、3寸(9㎝)の角柱で節だらけで細く、金具によって耐震補強などされていない軸組工法。棟上げのときにグラグラしているような安普請だった。鉄筋コンクリート造のマンションも同じような状態で鉄筋が確認申請より少なくても平気だったし、セメントに施工時のゴミすら放り込んで固めていた。

 

こうした不動産が中古住宅として販売される時代になり、リフォームして見栄えは良くなっているが基礎や柱や梁、水回りなど目に見えない所はリフォームされていないのでかなり危険な建物だと思う。それでも新築より安いし、駅近だし、立地が良いからと購入している。災害の多い日本で持ち家はかなりリスクの高い買い物になる。

 

空き家が増えて固定資産税の特例が空き家に適用されなくなれば、空き家となった売り家が増える。擁壁工事もいい加減でいつ倒壊するかもしれない土地に建てられた中古住宅が大量に売りに出されても購入すべきではない。また、一定以上のリフォームは耐震補強しなければできないので建て替えより高くつくことが多い。

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