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企業が衰退するとき

企業が儲かっているときは、実に謙虚で人の話をよく聞き、感謝の言葉がすぐに出ているが、これが23年続くと、誰もが尊敬してくださるし、お話しを聞かせてくださいとお願いしてくる。自分の成功は皆のおかげだということを忘れて、自社が素晴らしいと思うようになる。

 

如何なる企業も、成功するのはその時代の、その土地の、その人々に受け入れられたからであり、そのどれ一つでも欠落すれば、たちまち儲からなくなる。成功要因は、その企業が素晴らしいのではなく、その企業が、その時代、その土地、そこで暮らす人々が求めるモノを提供したから。

 

人はチヤホヤされると、自分は特別な存在だと勘違いして、他人に対して偉そうな態度に出る。企業も同じで、従業員の態度が横柄になり感謝されることはない。自分たちの成功は、自分たちが素晴らしからだと思い込み、お客様のこと、取引業者のこと、街の人々のことなどを忘れる。

 

悪い情報を分析検証することなく見捨て、良い情報ばかり集めだす。良いデータを観ながら満足して、注意しなければならない事態を見過ごしてしまう。僕たちはよくやっているなどとお互いに褒め合っているので、修正すべき事柄が実行できなくなる。人事も温情で行われるので、現場の責任感が希薄になっていく。

 

誰かが何とかやってくれると思い込み、自分が何かを変えなければとは思わない。従来のやり方にこだわり精神訓話が多くなる。成功事例を観に行き、必要な改善策を見つける前に、見学した企業のあら捜しをして自社の自慢話をしてしまう。研修会に出ても、その姿勢は変わらない。

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