職種のプロを育てない日本企業
日本企業に就職すると、数年でいろいろな部署に異動になる。上りは管理職で、ひとつの職種でのプロではないし経験もない。昇進することが就職の目的になり、昇進が会社から認められた証だとする日本企業は衰退していく。部長になれば、そろそろ定年で花束をもらって退職する。
欧米では、ひとつの職種に就けば異動はないし昇進もない。その仕事を定年までやり続ける。管理職にならないがしっかり昇給はする。受け持つ職種のプロになり経験も豊富。会議では自分の意見をはっきり言って管理職にも忖度しない。自分の担当部署が儲かれば他の部署を差し置いて昇給できる。
会社の方針が間違っていれば堂々と自分の意見を言い、経営陣に対する訴訟も辞さない。成果給なので、それぞれが仕事のプロとしての役割を果たそうとする。こうして欧米の企業は強くなっていった。しかし、日本では上司に媚びることが昇進の証だった。上司に意見具申する者は嫌われた。
プロ野球でいえば、160㎞の速球投手がまだまだピッチャーとしていけるのに、ファーストやセンターにすぐに異動させられるようなもの。20年ほど経験させてからコーチや監督になり引退するようなもの。これでチームが強くなるはずがない。そんなことを戦後の日本はやり続けてきた。