経営者によって業績は変わる
活気のあるスーパーに行くと店員が元気な掛け声をお客様に積極的にかけている姿をよく見かける。「今日のほうれん草はおいしいよ!」「今日はイイ魚が入ったんだよ!」「ちょっと試しに食べていかない!」ついついつられて買ってしまう。売り場に立ってお声がけをしながら販売経験のある社長はこうした活気を大切にする。
スーパーの経営理論と数字、欧米のスーパーの視察に余念のない経営者は、綺麗に整理整頓され管理されているお店を見て真似をする。百貨店のようなお店がお客様に支持されると現場に伝える。店員は黙ってお客様を見ているだけ。積極的にお声がけをする様子はない。購買意欲をそそる掛け声もないがトレーサビリティはばっちり。
総合スーパーの売上が芳しくなく、専業店にお客様を奪われて久しいが大手総合スーパーは相変わらず欧米の物真似ばかりしている。売り場に立ち販売すれば方針は大きく変わるのに豪華な社長室で理論と数字ばかり見ているので対面販売の重要性が理解されない。販売は陳列ではなくにぎわいの方が大切。
視察に出向く社長は綺麗な店内、整理整頓された商品、こじゃれた洋服を着てすましている店員がいると満足する。店長も自然とそうした綺麗さや上品さを求める。しかし、業績は下降する。そこにはクーポン券などの手配り販促、売り場からのお声がけ、店員の満面の笑顔がない。これで売り上げを伸ばせというのが無理な話。
データ分析が大好きで、数字をもとに部下に何をすべきかをとうとうと説明してくれる。欧米に行って得た知識やノウハウを鵜呑みにして日本のやり方はダメだと嘆いている。売り場はこうあるべきで管理はこうする。しっかり調査して仕入れた商品は並べるだけで売れると自信満々。売れないのを店長のせいにしている。