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社長 それをやっちゃいかんでしょ!その弐

節税対策のために、できるかぎり出費は経費で落としたい。出張旅費はもちろん経費なので、家族旅行は研修旅行の名目で経費に入れておこう。そうだ、家族での飲食も会議費にして経費にすれば節税になる。それなら、接待ゴルフだって、接待のクラブの飲食代も、クラブの女性と連れ立って行ったセミナーも、福利厚生費や研修費、旅費交通費などの名目で経費にしよう。そう考える社長は非常に多い。

 

10万円の飲食代金を会社の経費にした場合、利益から10万円を差し引くことができるので4万円近い節税になるが、自腹を切って支払えば10万円の儲けが増えて4万円近い金額を更に納税しなければならない。法人税の実効税率は徐々に下がりつつあるが、それでも2013年度は40%近い。行政のやり方に不満を持っている方も多いので素直に納税したくない社長さんも多い。

 

経営者セミナーや研修名目のセミナーはもちろん経費で落とせる。そこで、各種イベントのセミナーはすべて企業研修、能力開発セミナーなどといった名前に変わる。出会い系セミナーの方が集まりは良いので、遊び心をふんだんに入れてみたり、発表させると喜ぶので、どんどん発言させるセミナーにしたりして研修費は数十万円と高額になるが喜んで支払ってくれる。

 

こうして仕事に身が入らなくなり、職場に行かなくなるが、自分は自分の能力を開発しているから、とっても会社の役に立っていると信じ込んでいるため、後ろめたさがなく、従業員にさえセミナーの内容を自慢げに話す始末。「どうだ、凄いだろう!」と話していても、従業員は現場に出てこない社長に愛想が付いているので、会社のパソコンで転職先を探すようになる。

 

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