スペシャリストが育たない
戦後の日本ではバブル崩壊まで企業の成長は著しく管理職を増やす必要があった。そのため、出世がいちばんの望みで管理職に就くことこそサラリーマンの本望。出世競争に敗れたサラリーマンは窓際族と言われてしまうようになった。これは日本の常識で世界の非常識。海外では仕事のスペシャリストになろうと努力するが管理職のトップに上り詰めようと努力する方はほとんどいない。
いい例が仕事を尋ねると日本では「○○銀行」などと会社名が出てくるが、欧米の方は「バンカー」などと職種で答える。転職することが恥ずかしいと思われている日本と、転職することでスペシャリストとしてさらに磨きをかけていく欧米人との働き方の違い。日本の企業は転勤や人事異動によってスペシャリストになれない制度になっている。
営業マンとして優秀なサラリーマンは、生涯営業マンとしてその技や人脈を広げていくことがなく、管理職になってせっかく手にしたスキルと知識を風化させていくのが日本企業。そのため、管理職は過去の栄光を話して今にマッチした営業ができないでいる。こんな管理職をたくさん持っているため日本企業の業績はパッとしなくなった。
いっぽう欧米では、スペシャリストが管理職より高給で業績をドンドン上げていく。管理職は彼の仕事がやりやすいように手配し、事務職はスペシャリストの仕事を記録したりする業務となる。出世で上り詰めた人が社長になるのではなく、社長としてのスペシャリストをスカウトするのが欧米のやり方。
当社では、それぞれの業務のスペシャリストになってほしく管理職や事務職は最小限に抑えている。収益をもたらす業務遂行者は知識を習得し、長年の経験と勘を研ぎ澄ましてスペシャリストになっていく。社長である僕も講師として20年以上のスペシャリストとして他の追随を許さぬよう努力している。