組織は生きている
今年から、パソコン教室わかるとできる大学に予算を与えて、彼らの活動費とすることにした。日本では、組織は上意下達であり、下部組織に決定権はなく、稟議によって数回の了解が得られなければ活動できないのが普通。しかし、僕は現場第一主義であり、彼らの意見は最大限尊重する。
ただ、こうした組織を作れば組織のトップの仕事は彼らの自由活動に口を挟まないことであり、忍耐が求められる。悪く言う人、悪い情報が上がってきても、それらを自分の腹の内に収めて何も言わない姿勢が求められる。決めたことだがもう止めたと言わないことがトップには求められる。
二年前には、企画制作部の自由意思に任せて1年間遊んでいてもいいから、自分がやりたいことをやってみなさいと言った。担当者は、1年間異業種交流会に参加したり、社会人大学に入ったり、実力を高めていき、今では稼ぎ頭を作り出したし、それがパソコン教室わかるとできるにフィードバックされている。
ただ、この間、彼のことを遊んでいるとしか思わない人からは良い印象を持たれなかったのも事実である。彼を弁護し、彼に何と言われてもやり抜いて行けと夢と希望を与えなければならないが、僕にもこの先どうなるのかわかるはずもなかった。ただ、そんな不安は見せないことがトップの姿勢だろうと思った。
組織は人で成り立っている。人こそが組織のすべてであり、持てる力のすべてである。彼らを信じて、彼らの判断と活動に任せて口を出さず、資金を出し、時間を与えて、何かがあればトップの自分が全責任を負えばよいという腹をくくることが企業トップの僕の仕事だと思う。