AIとロボット
昭和の工場では塗装でも板金でも金属加工でも、熟練工が幅を利かせて自分の腕を自慢していたものだ。熟練工は、現場のたたき上げでぶっきらぼうな物言いだが若い新入社員は、こうした熟練工を尊敬して、いつかは自分もそうした技術を身につけたいと深夜まで練習したものだ。
それが今では、工作機械になりそれもコンピューターが搭載され、アームが付き、人口頭脳が搭載されロボットアームになり、より複雑で高度な加工もできるようになり、熟練工のスキルは機械に学習させてよりスキルアップしている。今では、工場に行くと多くのロボットが自動運転で生産を任されている。
今こうしたことが、医療の世界でも起こりつつある。検査用機器だけでなく手術用ロボットの開発に着手している。現段階では、スキルのある医師がロボットアームを使って遠隔操作しながら手術するだけだが、こうした手術の手順はすべてデータ化されて蓄積されていく。
ちょうど熟練工の技術を機械が覚えていくような状態。データが集まれば集まるほど人工知能はそれを分析検証して成功に近づいていく。工作機械のように医師がいなくても、医療用手術ロボットは、患者を診断して手術を行えるようになっていく。そうなると、高度な手術はロボットに任せた方が安心ということも起こりえる。
自動運転もプロドライバーの運転技術をAIが蓄積してビッグデータとしてより正確な運転を行えるようになっていく。もちろん、事故を起こした一般ドライバーの運転データも蓄積されていくので、事故を避ける精度も高まる。人よりも機械任せの方が安心する時代はすぐそこまで来ているのかもしれない。