最初は一人で起業して、業績が良くなると人を雇って働いてもらうようにする。ひとりよりも二人で働く方が儲かるからと頑張って、さらに人を雇うようになる。数人雇うようになると、自分は社長だからとチョッと仕事を離れて趣味に走ったり、法人会のお付き合いやセミナーに参加したり、政治家とのお付き合いに喜びを見つけるようになる。

 

幹部社員に仕事を任せているので自分の会社は大丈夫だと思い込んで、仕事以外のことにのめり込んでいく。ふと気が付くと、業績は良くなるどころか悪化している。そのことで幹部社員を叱咤激励するが、それじゃ辞めると言われてしまう。あいつなど辞めて当然だと思うが、業績を立て直す術がない。

 

仕事を離れているので従業員が慕ってくれない。遊んでいる社長などの指示にだれが従うものかと思われているし、自分たちの面倒を見てくれていた幹部社員を辞めさせたのは社長のあんただろうと思い込んでいるので指示を出しても従っているフリをするだけ。これで業績をさらに落としてしまう。

 

自社の仕事のエキスパートになれなくて、ビジネス論や政治論争、社会現象ならいくらでも話ができるが、自社の商品や営業、個々のお客様のことなど全く把握していない。仕事ができないど素人に成り下がっている社長になれば、業績の回復は望めない。あの人と一緒に仕事をしても楽しくないと思われてしまっている。