モノが売れない
アメリカのショッピングモールは、この20年ほどガラガラのところがあり、撤退したテナントの空きを埋めることができず、壁を打ち付けて空間を見せないようにしている。日本でも、最近、こうした傾向がみられるようになった。物販がふるわなくなり業績悪化から撤退するテナントが増えたためだ。
全国どのモールに行っても同じテナントが入っており、同じ配置に同じ商品が置かれていて味気ない。つまり、多品種少量ではなく、小品種大量の陳列になっている。モールごとのお楽しみはイベントぐらいで、商品構成に違いはない。管理しやすいが、こうなると買い手にとっては面白みがない。
僕は地方に行くとモールには行かないで、地元の産直市場や地元の商店街に行く。さびれた場所に行列ができているお店を見つけるのが好きだ。地元の方が支持しているお店は、魅力的で商品にも個性が溢れている。しかも、そこに行かなければ買えないし、少量しか売っていない貴重な商品。
ジーンズの児島など、ハンドメイドの作家が一枚一枚手塩にかけてこだわった商品があれば、地方でも充分人気が出る。飲食店でも、工場生産しているチェーン店は暇そうにしているが、個性あるオーナーが魅力ある手料理をふるまってくださるお店はしっかり行列ができて繁盛している。
モノが売れないのではなく、魅力あるモノが少なくなっていること、お店が増えすぎて大量生産されたものを仕入れて販売していると売れないということ。売れ筋を追いかけるバイヤーではなく、こだわって製作している商品を探す時代。大手のバイヤーよりもネット検索している消費者の方が上手だということ。