自分のお店を持つのが料理界の理想
料理の世界に興味を持って飲食業界に入る人は多い。最初はウエイターになって料理の名前を覚えるところから始める人。料理学校に入学して料理の基本から勉強する人。調理見習いになってキッチンで修業を積む人。レストランの経営に興味を持って入ってくる人。
僕は幼い頃から母親に料理を教えてもらっていたので、自分で考えて調理するのが大好きで、最初は母親のレシピ通りに調理していたが、還暦を過ぎると自分オリジナルな調理にも挑戦するようになる。チョッとした工夫で味が一変する面白さもある。
和食中心な僕のレシピは徐々に中華や西洋料理に及び、多くのレシピを身につけると創作料理がしやすくなる。いろいろな新しい食材に出会うたびに、どんなレシピにすれば美味しい料理になるのかと考え挑戦する楽しさも覚えるようになる。
還暦を過ぎると美味しさだけでなく健康も意識した調理に挑戦するようになり、多種多様な調理方法を試すようになる。美味しいと言ってくださる方が増えて、お店を開いてもやっていけるだろうなという自信までついてくる。
飲食業界では料理人が主役で、彼らがどんな調理をして、どんな料理を出すのかで評価は決まる。修業を積んだ料理人がニコニコしながら自慢の料理をお客様に振る舞っている姿ほど見ていて楽しいものはない。
飲食業界ではレストランの経営者もウエイターも脇役に過ぎない。料理人は自分が独立して自分が好きなように取り仕切れるお店を持つことを夢見て毎日修行に精を出す。そうした夢がなければ、板場の修行など厳しくてできたものではない。