社員に経営者意識がなければ、会社に甘えてしまう
パナソニックの創業者 松下幸之助、京セラの創業者 稲盛和夫に共通しているのは、社員全員に経営者意識を持って働いてもらうということ。予算や経費の使い方にも敏感になってもらい、会社全体の利益を上げて給与に反映する。そのために、事業部制にしたり、アメーバ経営(全員参加経営)の組織にしたりしています。
その他にも、子会社化や社内起業など、多くの経営者は従業員に経営者意識を持っていただけるように教育しています。会社は大きくなると、儲けている部門と儲けられない部門が出てきます。儲からなければ給与は支払えないので、儲けるように指導します。特別扱いできる部署は、いつまでに儲けるか予算と期限を決める必要があります。
儲からないがやり続けるという社員には、子会社化して責任者が社長になってリスクを背負ってもらいます。借金も自分の名前で行いますし雇用責任も負うことになります。儲けの30%程度を起業した時の総株主である本社に支払えば、後は全部自分の収入となります。赤字になれば、自分の給与は出ません。
こうして成功する者は、ほんの一握りで、10人中1人もいないほどです。それほど、会社を経営するということは難しいことです。成功できずに自殺する起業家もいれば、成功したのに社員から責められて自殺する経営者すらいます。経営者として多くの方から尊敬を集めている松下幸之助さんと稲盛和夫さんですが非難する方もいます。
経営者になるということは、良く言ってくださる方と悪く言ってくださる方の両方がいるということで、どちらかに偏るということはありません。感情に振り回されるようでは自社で働いてくださっている社員の幸せは守れません。給与という金銭で社員を守る以上、数字によって経営者は動きます。