忠言耳に逆らう
「忠言」とは、真心を込めていさめるという意味で、不正や欠点を改めるよう忠告する言葉や忠告は、聞く側にとってはつらいものだから、なかなか素直に受け入れられないものだという意味になる。僕は、多くの経営者を観てきて失敗していく方のパターンを紹介しているが該当する人たちは聞く耳を持たない。
中小零細企業経営者は、高級車や豪邸に住むような贅沢をしてはならない、本業に専念して法人会やセミナーに傾倒してはならない、深酒して酩酊してはならない、感情的になってはいけない、自分の発言ばかりで相手の話を聞かない態度は聞いているふりだけされる、上から目線で話してはならない…。
自分は偉くなったと勘違いして、ついつい傲慢な態度になり、自分の発言こそが大切で、自分の言うことをしっかり聞けば業績は良くなると勘違いしている経営者も多い。贅沢な生活をするようになり、人の言うことを聞かなくなり、ついには、忠言をしてくれる人を避けるようになる。
あの人は、すでに過去の人だからあの人の話を聞く必要はない。あの人は、あの人の仕事に専念していればよい。あの人の言葉は、都合が悪いから避けるようにしたい…あの人は、孤立して生きているだけだから言うことは無視してもよい。あの人は、お酒も飲まないしタバコもしないから、人の心がわからない。
僕は、こうして無視されていくが、赤字になったり倒産したりすると会いに来てくれる。儲かっているときほどBUNちゃん先生の言うことは聞きたくなかったのですが、あのとき、素直に聞いていればよかったと思いますと反省の弁を述べてくださるが、後悔先に立たずで残念でならない。
中小零細から頑張って働き、儲けることができるようになると、ついつい、これまで苦労した分を取り戻すかのように贅沢したくなる。自分へのご褒美もあるだろうし、支えてくれた家族への感謝の気持ちもあるだろう。ただ、中小零細では、儲かるようにしてくれた従業員に真っ先に褒賞を与えなければ嫌われる。