労働生産性を考えられない幹部は頭数を揃えたがる
中学入試では仕事算が出題されることがあります。週6日勤務ができて毎回6時間働けるパートさんが10人いるとして、週3日、毎回4時間しか働けないパートさんは何人必要でしょうか?これは、どの店舗でもシフトを組むときに必要な考え方ですが、できない店長や管理職の方がいます。
1週間で労働時間を考えると、パート勤務の方で必要な時間は、6日×6時間×10人=360時間労働です。これを週3日4時間しか勤務できないパートさんで店舗をまわすとすると、360時間÷3日÷4時間=30人が必要です。店長にこうした計算ができると、あと何人採用すべきかがわかります。
こうした考えができない店長は、あの店舗ではパートさんが30人もいるのに、自分が担当している店舗ではパートさんは10人しかいない。これではやっていけないと愚痴をこぼすようになります。同じ売り上げであれば、同じ人数が必要なのではなく、同じ労働時間が必要なのです。
また、ベテランのパートさんと新人のパートさんでは、仕事の能率が違ってきます。新人さんは、仕事のノウハウを教える必要がありますから、業務内容によってはベテランの半分ほどしか仕事をこなせないかもしれません。仕事をしっかりしていただくためには、仕事をわかるように教える必要があります。
店長は、横並び経営が大好きで、間違っていれば指導が入るだろうと思っていますが、稟議書をチェックする上司の決裁がいつも降りてきます。気をよくして、いつも同じ稟議書を出すようになります。管理職の仕事は現場がキチンと仕事ができるようにすることですが、この店舗はこのままでは閉店です。