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あの国は憎むべき国だ

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かつて、自国が戦場となった経験を持っているA国は、自国に攻め入ってきたB国を憎むべき存在として国民を教育している。年月が経ち、戦争当事者がいなくなり世代が変わっても反B国教育は続けられている。B国が早く戦後復興を遂げて奇跡の経済発展を遂げたことも苦々しく思っている。負い目のあるB国はA国の経済発展のためにいろいろと尽くすが反B国感情を拭い去ることはできない。

 

A国も遅ればせながら経済発展を遂げてきたが、理想とは裏腹に貧富の差が激しく、人脈がなければ大学を出ても出世できないことへの不満が渦巻いている。どんなに働いても生活は豊かになるどころかドンドン貧しくなっていく。自分が働いている工場は、学校で習った憎むべきB国へ輸出する商品。今の自分が不幸なのもB国のせいだと、腐った肉を混ぜたり農薬を混入したり。

 

憎しみを煽る教育は戦争を知らない若者に歴史認識ではなく、憎しみだけが植え付けられ、今の不満をぶつける対象になりやすい。貧富の差が激しく、富める一族が益々富めるA国では、貧しい国民の不満が自分たちに向けられることがないように、自分たち以外の敵をこしらえる必要がある。反B国教育は益々盛んになり、国境紛争も起こすようにして国民感情を外に向ける。

 

祖父や祖母の時代に悲しく辛い歴史があったとしても、戦争を知らない世代は憎しみを受け継ぐのではなく、悲しく辛い歴史を乗り越える新しい歴史を創る夢と希望を抱くことが大切。それぞれの国民である前に、人間として、この地球上で共に生きている。助け合い、励ましあって生きていく方が、憎しみ合って生きるよりも未来に生まれてくる人のためにもなる。

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