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国連平和維持軍のジレンマ

国連が平和維持軍として紛争各地に派兵していますが、その多くはうまく機能していません。銃を持った兵士がいきなりやってきて「俺たちは君たちと友好関係を築きたい」と言っても、銃を下ろそうとはしません。街を巡回しますが、不審な民間人には容赦なく捕まえて荷物検査や尋問しています。
自国の民間人がいきなり荷物検査を受けて銃を突きつけられます。それを見ている民間人は友好的な感情から嫌悪感を抱くようになり、抵抗運動をしている自国民が外国の兵士に殺される姿を見て反抗的になって敵対的になります。こうして負の連鎖が広がり、平和維持軍も銃を離せられなくなります。
民主化しようとして選挙を行いますが、中東の国では種族の長が治めて暮らしているので選挙制度が理解できません。選挙をしても長が指名した通りの事しか行いません。立候補する者は当選しても部族の長がいるため民衆の支持を得ることができません。国家元首となったものの平和維持軍に守られた政府でしかありません。
国連の事務方や派兵している国家元首は平和のためだから銃を持っていても発砲するなと言います。兵士を狙っているのは民間人であり兵士でもある人なので見わけが付きません。民間人だと思っていると、いきなり銃で撃たれるため、こんな国にとどまりたくないのが本音です。
また、国連平和維持軍は多くの国が参加しているので、それぞれの国の事情に合わせる必要があります。日本は発砲しないし安全地域にしか基地を作れないし、ドイツは基地から出ない。それぞれのお国の事情が絡み合い、紛争地域の処理はアメリカ兵に任せているためアメリカ兵にも不満がつのります。
事務方と軍を指揮している司令官の行き違い、それぞれ国から派兵された軍司令官の行き違い、総司令官と各国の司令官との行き違いなどが絡み合い、動きが取れない状態で民主主義を知らない住民に民主化を推し進める。復興のための仕事を与えることもなく友好だと主張しているのが現状です。

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