アメリカにいるとき、アメリカに忠誠を誓うことは兵士として戦地に行って立派に戦った経歴があることだと話をしていた。かつて、日本も愛国心を煽って兵士として死ぬことを求める時代があった。兵士として戦地に行って死ぬことで英霊として讃えられたが、彼らの多くは望んで戦地に行ったわけではない。

 

総理の思いをくみ取って、こうしてほしいのだろうなと思って官僚が動くことも、民間人には情報を漏らさず教えないことも、行政の汚点を隠して情報を改ざんすることも愛国心からだと教えられる。愛国心は上に立つ人が民間人や兵士、下っ端の公務員などを操作するときに都合の良い言葉として使われる。

 

多くの人は日本が好きだと思うが、政治家や地位や権力のある方から愛国心を持てと煽られると違和感を覚えるのはこうした理由から。人の命は地球より重いが、兵士の命は紙きれよりも軽い、沖縄戦での戦地の民間人の命はそれよりも軽かった事実を僕たちは知っている。