近未来の戦争
国家間の戦争は、有史以来敵国と自国が戦場において生身の人間兵士と生身の人間兵士の殺し合いの場だった。兵士の死亡は多額の損失をもたらし、資金が底をつき、これ以上兵士や武器供給が途絶えることで勝敗が決まった。戦場にいた兵士はPTSDにも悩まされ、それも保証しなければならないので戦費は巨額になる。
それなら殺戮ロボット、殺戮ドローン、誘導ミサイル、妨害電波、相手国のインフラ設備を使用不可にするウイルスの拡散などを開発する方が予算は格段に抑えられる。生身の人間を戦場に送るのではなく、相手国の人間兵士を殺戮できるAI搭載のロボットやドローン兵器を採用した方が安上がり。
少し前まで自爆テロが盛んに行われていたが、最近ではドローンに爆弾を搭載して夜間にGPSを使って誘導して爆破する。金融機関のコンピューターをハッキングして多額のお金を盗み取る国家も出てきた。戦場は今では日常の場であり、敵国に兵士が乗り込まなくても攻撃できるようになった。
国家間の戦争はどちらかの国民を殺戮することではなく、自国の主張を相手国に納得させる手段として利用している。相手国がこれ以上戦えませんと言わせれば勝利する。できれば相手国の人々を殺戮することなく勝利したい。暴力に訴える、威嚇して負けると思わせる、生活できなくするなど勝利する方法はいくつかある。
宣戦布告など必要なくなり、攻めたい国にコンピューターウイルスを侵入させて、攻撃したいときに一気に攻める。相手国のミサイル誘導装置を利用して相手国自身を攻撃するように誘導できれば軍備は必要なくなる。相手国の情報をかく乱できれば。相手国の混乱に乗じて攻め滅ぼすこともできるだろう。