自分の身は自分で守りなさい
第二次大戦で大敗北をきっした日本。今の日本国憲法は、日本の死に物狂いの戦い方に恐怖を抱いたアメリカ人が、二度と戦争を起こさないように憲法の起草案に戦争の放棄を入れた。これに微笑んだのが、進駐軍の時代に総理を務めていた吉田茂。外交官時代に軍部と衝突ばかり繰り返していた彼は、再軍備を望まなかった。
敗戦後の復興が最重要課題の中で、朝鮮戦争が勃発し、進駐軍は日本の再軍備を要求してきたが、吉田はこれを頑として断っている。国家間の紛争解決の手段として戦争は認められているので、自国防衛の軍隊を保有しないで国家としてやっていけないが、アメリカに日本防衛の役割を担ってもらえば、日本は経済優先でやっていける。
最近、アメリカは海外派兵で手痛いしっぺ返しを受け続けている。第一次世界大戦で戦争に加担しなかったアメリカは、ヨーロッパの戦争当事国に大量の物資を販売して、世界一の経済大国にのし上がった。第二次世界大戦でもアメリカは、自国が戦場にならなかったので多額の利益を手にしたが、その後の戦争では出費ばかりかさんでいる。
儲からない戦争は割に合わない。アメリカは、世界にアメリカの考えを押し付けることをしなくなりつつある。特に、軍事行動では手痛い痛手をこうむっており、これ以上の派兵にはアメリカ国民も嫌気がさしている。そうした思いから、日本での駐留軍に全額負担を求める考えを示すアメリカの政治家も出てきたのだろう。