生きてこそ
68歳になるまでいろいろな体験をした。僕を古くから知っている人は立ち上がれないと思ったことが何度もあったねと言ってくださる。死んだほうがましだと思えることも何度もあった。死ぬ勇気がなかったから必死で小さくなって耐えていた。
罵倒されバカにされたことも何度もある。「死ね!」と父親から言われたこともあるし「一生恨んでやる」と言われたこともある。「お前のような奴、見たくもない」と言われ無視されたこともある。悔しくて泣いたことも何度もある。
コロナ禍で仕事をなくした、赤字になっている、どうしようもないと落ち込んでいる人は多くいる。僕もそうしたことを経験してきた。この先の不安で夜も眠れない経験もしてきた。寝汗でびっしょりになっていたこともある。血尿が出たこともある。
食べるものさえ買えなくてレジで商品を返したこともある。それでも生きてきた68年だった。人様に自慢できるものはなく失敗談ばかり。それでも生きてきてよかったと思える。渦中にいるときはもがき苦しむが生きていればイイことがある。
何をしてよいのかわからない、どうしていいのかわからない、ただ立ち尽くすだけでもいい。ただ、生きているだけでいい。それでも生きている価値はあると年老いて思えるから不思議だ。死にたいと思っていても来年は?10年後は楽しいのかもしれない。