男は仕事、女は家事で分担していた昭和の時代
昭和の時代、女性が働ける職場はかぎられていた。花形と言えばバスガイドや車掌さん。事務職員はお茶くみなど雑用ばかりで男性社員の結婚相手でしかない。したがって、結婚すれば即退職(寿退職)が当たり前の時代だった。
男性社員は、とんとん拍子に出世して昇給するが、女性社員は、いつまでたっても昇給せず出世もしない。男子社員の給与だけで家族が養える時代だったので、女性は結婚すると家事をする専業主婦がほとんどだった。
ご主人は、「誰のおかげで飯が食えている!」とふんぞり返ってタバコをふかし、お酒を呑むのが普通。男性は浮気をしても許されるが、女性が浮気をしようものなら…という時代。夫の酒癖の悪さや暴力に耐えるしかない時代だった。
何しろ、30代で子持ちの女性が子育てをしながら働ける職場がない。実家に帰れば、隣近所に離婚のうわさが広がり、実家の親も困惑顔。水商売なら働き口はある。そこで、スケベで酔った男性の相手をしながら、子供を連れて実家を離れる女性もいた悲しい時代。
仕事が終われば、男性はキャバレーに行って、肌もあらわで綺麗に着飾った女性にチヤホヤされて有頂天になり、酔った勢いで暴れ放題。これで仕事の疲れを癒す。家に帰れば、疲れ切った妻がいて「あなた、お帰りなさいませ」と愛想のない返事をする。
俺は、稼いでいるのだから、お酒臭くても、キャバレーの女性の名刺が入っていても、口紅がワイシャツに付いていても一切の口出しを許さないという態度。令和の今でも、田舎ではこうした価値観を持っている人がいるからビックリする。