情報に踊らされて戦争をする
太平洋戦争前、新聞各紙は米英が日本の中国大陸政策に反対し、鬼畜米英に対して日本は毅然たる態度を示さなければならないと報じていた。山本五十六は、軍縮交渉を打ち切った英雄と評価されたが、その後、三国同盟に反対する臆病者だと報じられ暗殺される危険すらあった。
僕たちはマスコミが報じる情報を鵜吞みにして出来事を評価するが、立場が違えば評価も変わるし、情報が間違っていればそれこそ全くお粗末なことをしでかす。真珠湾攻撃では、よくぞやったりと国民皆が喜んだが、マスコミ報道を信じ込んだ末の出来事だった。
現在でもマスコミばかりでなくネットで多くの情報が出ており、いかにも本物らしい偽情報もたくさんある。こうした偽情報を信じ込んで疑わない人もいる。人は、自分に都合の良い情報を探し出しては確信を深める傾向にある。
偽情報を出すことを仕事にしている人たちもいて、彼らは社会を混乱させることで報酬を得ている。例えば、ある国を混乱させれば報酬を出すと言われると、その国の政治家やトップ企業をおとしめる偽情報を流す。その国の国民が信じて拡散するようになると報酬がでる。
国家だけでなく、特定のメーカー、商品、サービスでも同じこと。偽情報で報酬が得られるなら彼らはどんなことでもする。コンピューターウイルスを忍ばせるよりも簡単にターゲットをおとしめることができるので仕事として成り立っている。
僕たちは、こうした偽情報に踊らされることなく真実を見る目を養わなければならず、よくわからないときは言葉や行動に注意する必要がある。自分が偽情報を拡散することに加担することがないように情報化社会となった今では個々に注意しなければならない。