食べることは生きること №15 肥満の予防
僕たちは毎日、食事をしますが、食事の仕方を間違えると肥満になります。食事をすれば、食道から胃に食べ物は入り、腸へと運ばれながら基本的にはタンパク質、脂質、糖質の3つの栄養素となって消化・分解・吸収していきます。
胃腸で消化・分解された糖質は、ブドウ糖になり血流に乗って全身に運ばれます。ブドウ糖は、それ自体では細胞の中に入れないので、すい臓からインスリンというホルモンを分泌して、いっしょになって細胞にやっと入ることができるのです。
食事によってブドウ糖が大量に作られると血糖値が上がり、すい臓がインスリンを分泌して、細胞に送り込むことで、食後の血糖値を下げていきます。人体は、ブドウ糖をエネルギーに変えて、脳や筋肉の活動に利用されます。
しかし、余ってしまったブドウ糖は、誰も受け取ってはくれないので脂肪細胞に蓄えるようにします。ブドウ糖を受け取った脂肪細胞は、中性脂肪に変えて巨大化します。これが肥満で、飢餓に備えて身体にエネルギーを蓄える機能を持っているのです。
脂肪細胞にも蓄えきれないようになると、すい臓がインスリンを分泌しても受け手がいなくなり血中に溢れた状態になります。つまり、すい臓がインスリンを分泌しても血糖値は下がらなくなります。
疲れたすい臓は、とうとうインスリンを分泌しなくなります。これが糖尿病です。糖尿病と肥満は密接に関係していますから、肥満を避けたいのです。こうした関係や、ブドウ糖を作る最大級の炭水化物、特にご飯やパンは控えめにするとダイエットしやすいのです。
24時間いつでも好きなものが食べられる時代になると、自分で何を食べなければ健康を維持できないかを知る必要があります。好きなものだけ、便利なものだけ、簡単なものだけを食べていることは危険な行為なのです。