売れない田舎の田畑や家
お盆になると、実家に伺って仏壇にお供え物をして手を合わせる。そのあとは、親戚一同が集まって食事をしながら、それぞれの日常の話題になる。今年は、田舎で暮らしていた父や母や亡くなり、都会暮らしの子供たちが、田舎の畑や家を処分したいが売れないで困っているという話だった。
和歌山県有田郡に住んでいる僕の周辺は過疎であり超高齢化が進んでいる。古くからの町は道が狭く、田んぼのあぜ道を広げただけの道路もあるため、軽四輪車でなければ通ることもできない。水洗便所ではなく、昔からの汲み取り式便所もある。夜になれば街灯もなく真っ暗になり人気もなくなる。
優秀な若者は高校から都会に出ていくので、都会で就職する若者が多い。田舎に残るのは、年老いた両親だけになるのは、サラリーマンの収入の方が農家よりも多く、農家の収入だけでは暮らしていかないから。年老いたご両親は年金があるのでまだやっていける。お盆と正月に、お子様たちが帰省するだけの町になっている。
僕と同年代の方は定年退職する時期だが、定年しても田舎暮らしをせず、友達なども多い都会にいるので、ご両親が亡くなってしまうと、実家やご両親が耕していた田畑が荒れ放題になってしまう。そこで誰か買っていただけないかとご近所に相談するが、誰も買い手がいないのが現状。日本中の田舎でこうしたことが起こっている。