車もマンションも価値は減少する
500万円の新車を購入して5年乗れば半額以下になり、10年乗っていると売却するときの価値はほとんどありません。それなのにマンションや戸建てを購入する人は20年後も30年後も売却するときはかなりの金額で売れると思い込んでいますがそれは間違いです。
日本のマンション数は40万棟600万戸5300万人が暮らしています。終の棲家と考える高齢者も多くいて年金暮らし。都市再開発で新築マンションの建設もすすめられており、都心部に人々を住まわせてコンパクトシティーにしたい自治体の思惑もあります。
築40年以上の老朽マンションは全国に約116万戸あり、耐震強度も不足していますし大規模修繕が必要ですが、当時は修繕積立金の考えもなくマンション管理組合もないことが多くあります。当然、修繕費用は捻出できない状態に陥っています。
修繕費がなければ家は朽ち果てるに任せてしまい、高齢者であれば放置状態でも我慢して自分の死をここで受け入れる覚悟でいます。1戸100万円以下で販売されているマンションを見に行くとこうした状態であることがよくわかります。
マンションの場合、大規模修繕は住民の3分の2以上の賛成、建替えは5分の2以上の賛成がなければ行えません。雨漏りも下水の詰まりも、壁のひび割れも、上水道の濁りも止まったままのエレベーターも直せないままで我慢している住民もいます。
車はどんなに古くなっても買い取り制度がしっかりしていますが、マンションや戸建てに限っては買い取り制度があっても売れないことが多いです。一人暮らしのご高齢者が減少していくので空き家が増えて、益々中古物件は売れなくなります。