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時がたてば価値も変わる

 

高度成長時代の日本では、専業主婦は当たり前。男は働き、女は家庭を守る分業ができていた。そのため、郊外の一戸建てが人気で、専業主婦はそこで子育てや家事に専念できた。男は片道1時間半以上通勤に時間をかけて職場に行っていた。

 

郊外に区画整理できた一戸建ては、田舎から出てきた団塊世代の憧れで、彼らは田舎のご両親の家に未練がなく、そこで暮らそうとも思っていない。自分たちは、都会の郊外のこの家が終の棲家だと思って幸せに暮らしている。

 

郊外で生まれた子供たちは、大人になり働くようになると都内の賃貸マンションで一人暮らしをするようになる。恋人ができても働く女性で、彼女の収入の方が多い場合もある。友働きで結婚すれば、とても家事など集中できない。

 

若い二人で暮らすには都内で職場に近い街になる。郊外の戸建ては暮らしにくいし、二世帯同居も専業主婦のお母様といっしょだと気が引ける。田舎の戸建ては誰も住まなくなり、郊外の戸建ても住人の老齢化が進む。

 

団塊ジュニアの子供たちは多くなく、彼らもまた親との同居を好まない。恋人も作らないので一人暮らし。狭い住居暮らしに慣れているし、賃貸に慣れているため不動産を所有する喜びもない。かくして日本では新築が人気で空き家は増えるばかり。

 

時が経てば人の考え方も変わる。生活が変わり、家に対する価値観も変わり、持っている道具も仕事の内容も生活様式も変わる。それを止めることは誰にもできない。現在の価値観がいつまでも続くと思っている方が思い上がりというもの。

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