不動産購入のトホホ物語
僕の友達は、結婚した時はアパート暮らしだったが妊娠を機にマンションを購入した。奥様が出産して、共働きから子育てに専念したいからと退職して専業主婦になった。そのため、ご主人の収入だけで生活しなければならなくなり苦しいやりくりを余儀なくされた。ご主人は、少しでも収入が増えればと残業を厭わないで働いた。
疲れ切って帰ってくるご主人に、子育てで疲れている奥様は、少しでも赤ちゃんの面倒を観て欲しいと言ってくる。最初は、妻に休息をとらせてあげようと優しかったが、自分も疲れているので居眠りして赤ちゃんを泣かせてしまう。夫婦の間にギスギスした空気が流れるようになり会話も少なくなっていく。
購入したマンションのローンの返済に追われてレストランで食事もできない。嫌気がさした妻は、夫に辛く当たるようになる。そのうち、妻のお母さんがやって来て「あんたはそれでも男なのか!」と怒り出し、離縁を迫ってくる。養育費が毎月3万円、マンションは慰謝料として奥様のモノ。ローンは全額ご主人が払うことになり、別れた夫には3000万円もの借金だけが残った。
実家に帰ってきた友達は、妻と妻のお母様から叱責されたことで心を病んでしまい仕事も手につかなくなる。失職して返済は実家の父に頼るが、定年退職している父親も年金暮らし。結婚式のときに元気にしていた友達のお母様は、こうした心労から倒れて病気になり死んでしまう。
毎月の返済額が家賃と変わらないか安いといううたい文句に惹かれてマンションを購入するが、実際、売るとなるとかなりやすい価格でなければ売れないのが現状。夫婦といってもゆとりある生活ができてこその優しさ。無理して返済に追われるような返済計画は資金繰りを悪化させるばかりでなく夫婦生活も家庭も崩壊させる。