経営者の態度が業績を左右する
成績不振の学生が、その悩みを先生や友達に話してどんなに激励されても、みずからがむしゃらに勉強しない限り成績は良くならない。いつもクヨクヨして、優柔不断で、悩みばかり言っているだけの学生は、そのうち先生や友達からも見限られる。「あいつは言っているだけで何もしない奴だ」と言われて離れていく。
経営者にも同じようなタイプの方がいて、経営者仲間やセミナーの講師や経営コンサルタントに相談ばかりしている方がいる。自分の会社が儲からないのは自分の優柔不断な性格や仕事に打ち込めない姿勢だと反省して行動を起こすことができず、いつも夜遅くまで悩みを聞いてくれる人を探しては会いに行く。
妻もいるし子供もいるのに深夜遅くまで、そうした付き合いで居酒屋やスナックにいる姿は褒められるものではないし、それで業績が上向くこともない。僕は仕事が終わればさっさと家に帰り、犬の散歩に出かけ、庭掃除をしたり、風呂掃除をしたり、掃除機をかけたりして、少しでも妻の負担が軽くなるようにしている。
家事が終われば、さっさと風呂に入り自分の部屋で本を読んだり、原稿を書いたり、明日の収録の予習をしたりしている。仕事のオン・オフをハッキリさせ、メリハリをキチンと行い、夜の食事はどんなに空腹でも健康を維持するためしない。若い経営者から食事に誘われても、「君には幼い子供がいるからさっさと帰りなさい」と言うようにしている。
経営の基本は、社会の最小単位である家族のひとりひとりに感謝される人になることで、これができれば会社という人の集まりでも同じように接していけば感謝されるようになる。妻帯者の社員なら、幼い子供の世話をして家にこもって子供の世話をしている妻の愚痴をたっぷり聞いてあげる時間が欲しいだろう。社員に、家に帰りなさいと言ってあげる心配りがありがたいのではないだろうか。