富国強兵
明治維新の大目標は富国強兵政策で、欧米列強の植民地にならないように急いで殖産興業を奨励し、身分制度に関係ない近代兵士を持つ軍隊を組織して他国に攻められない国家建設を目指していた。自分たちの国は、自分たちで守るのが常識だと日本国民の誰もが思っていた。欧米列強は野蛮な侵略者だと思っていた時代の話。
しかし、日本は昭和20年の敗戦後、平和憲法を順守してアメリカに防衛を任せている。兵役経験者は日本の軍隊のお粗末な作戦や拳骨で服従させるやり方に嫌気がさしていたので、二度と兵役には戻りたくないと思っている人が多かった。軍隊組織や戦争そのものに嫌気がさしていた。
愛国心から戦争ができた時代は終わりをつげ、ベトナム戦争以後のアメリカでさえ戦争反対のデモがあり、愛国心から戦争に行った兵士を称えるどころか戦場で戦うことが間違っていると言われるようになった。それでも戦争はなくならず、民間人は戦争を引き起こす政治家に不信感を抱くようになる。
日本でも平和部隊だと、遠くの国に赴く自衛隊の行動を国民の誰もが称えているわけではない。戦争で儲ける企業は政治家を戦争に駆り立てる。戦争ほど儲かる商売はない。彼らの商売のために愛国心を煽り、戦争やむなしとする政治家が世界中にいる。戦争という人殺しを行う政治家は殺人の罪に問う制度ができてもよい。
そもそも、戦争を引き起こす政治家が兵士になって最前線で戦ったなどということはなく、最前線で戦い死んでいくのは平民ばかり。敗戦になっても殺されることなく、これからは平和で、あの戦争は間違っていたなどと平気で言うのも政治家。その後ろには、戦争で儲ける企業が暗躍している。