嗚呼、老後
自分だけはどんな不健康なことをしても大丈夫だと思っていても身体は正直で必ず壊れていく。一度壊れた身体は二度と元には戻らない。そのときになって悔やむがすでに手遅れになっている。健康を維持するには生活習慣を見直して、メンテナンスを欠かさないこと。
老後は楽しもうと思っていても、病気になれば治療費でバカにならない出費がかさむ。癌ともなればゴルフや旅行などと言っている場合でなくなる。貯金があるからといって贅沢すれば癌になったときに困ってしまう。老後は病気との戦いでもあることを知らないで驚く。
猛烈に働いて会社を大きくして部下も育ててきたと満足して定年退職。「困った事があれば、いつでも言ってきなさい。」と話して会社を去ったが、いっこうに相談に来ない。暇だし、懐かしさもあり、会社の近くの喫茶店に行くと社員の話し声が聞こえるが、内容がさっぱりわからない。
サラリーマンのときに親の介護。妻は介護に疲れ、退職金は介護施設への費用で飛んでいく。退職してから病気になったが、生活費にも事欠く始末。再就職を探したが正社員はなく、清掃員などパートばかり。資格もないのでしぶしぶパート社員になったが、病気は悪化するばかり。
老後は子供達もやってきて孫の顔を見ながら過ごす日々だと思っていたが、都会で暮らす子供夫婦はめったにやってこない。孫はなついてくれても、大人になった子供はよそよそしい。学生時代に勉強しろときつく言いすぎたせいで嫌われている。おまえのために言ったのだと言えば、もう来なくなるだろう。
健康に良いからといろいろなサプリメントでかなりの出費。数十万円もするマッサージチェアを購入。近くのフィットネスクラブに通っているので毎月の会費もバカにならない。しかし、健康診断では悪い数値ばかり。フィットネスクラブで知り合った仲間と、居酒屋通いをしていればそうだろう。