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バカにされてもやり返せばイイ

 

貧乏生活の僕は中学校の時、卒業したら就職しようと思っていたので学校をさぼって、朝から近くの建材屋さんで倉庫の整理のアルバイトをして稼いでいた。おっちゃんは学校に行かないのかと不思議がっていたが、就職すると言えば許してくれた。そんなのどかな時代だった。

 

学校に行くのは卒業しなければならない通学日数を満たすためだったので授業は受けていない。受けていても寝ているばかりでほとんど習っていることはわからない。当然、試験は最悪で当てずっぽうで書いているだけなので成績は最悪だった。受験勉強している友達の話にはまったくついていけなかった。

 

「鎌倉幕府の成立は?」などと言いあっているのに僕はわからない。当然、受験勉強している学友は僕をバカだと思うようになる。学力テストも最悪でどの高校にも進学できないほどだった。それが親友とのある出来事で、彼が受験する進学校に行こうと決めたのは3年生の12月の事だった。

 

冬休みから中学3年間の教科書を丸暗記して、学校から配布された受験用のテキストを全部やり終えたのが冬休み明けの事だった。1月の学力テストで学年約300人中40位程度になり、その高校の合格圏内に入った。しかし、担任の先生は僕がカンニングしたと放課後、もう一度別の学力テストを受けさせられた。

 

他人はその人の過去を見て判断する。これまで3年間、ほとんど学校にも来ず、まともに授業も受けず、寝てばかりの生徒が3年の3学期になって突然、優秀な成績を出せる訳がないと思ったのだろう。人は、やってやろうと決意すれば何をしでかすかわからないものだ。僕は身をもって知った。

 

どんなに惨めな人でも、落ち込んで立ち上がれないと思った人でも、どこでどう変わるかわからないもの。過去を見て判断するのは間違ってはいないが、それがそのままその人の未来につながっているとは限らない。むしろ、人は変わっていくものだ。蔑んだり、苛めたり、すれば自分を貶めるだけだと思うようになった。

 

 

 

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