もうどうにも止まらない
「いつでも楽しい夢を見て、生きているのが好きなのさ」という山本リンダの歌詞は、人間のありのままの姿を映しているように思う。ゲームが好きな子供は止めろと言われても、どうにも止まらないし、お酒が好きな大人は止めろと言われても、どうにも止まらない。
どうやら人はあれがしたい、これが欲しいなどという欲には我慢できずにやってしまうものなのだろう。親鸞聖人もそんなことを言っている。この世で生きているときは、それでもいいではないか。それでも天国には行けると諭している。
人は生まれながらにして自由人で、自由を奪われることに対し反抗する。反抗することで自分自身を確かめている。若いときにはなおさら押し付けられることに反抗するもの。その反骨精神が新しい時代を産み出す原動力になる。
それが年老いてくると、反骨精神は萎えて従順になってしまう。長いものには巻かれろと自分に言い聞かせて我慢するようになる。どうにも止まらない若い頃を懐かしみ、誰かを傷つけ傷つけられたことに苦笑いし、穏便に暮らすようになる。
どうにも止まらず挑戦すると、年寄りの冷や水と揶揄される。でも、年だからといって止めることはない。やることが生きている証なのだから。年寄りの冷や水、おおいに結構。若者だけの特権にするにはチョッと悔しいではないか。