付き合い始めは、とっても優しくてよい人だったのに、付き合い続けると金銭を要求してくる。断ると、愛していないのかと詰問される。こうして全財産を失くし、借金だらけになって捨てられてしまった。あんな男に、あるいはあんな女にどうして惚れたのだろうと情けなくなる。

 

恋愛だけでなく、結婚でも優しくて頼りがいのある人だと思って結婚したのに、酒癖が悪く喧嘩が絶えず、夫の暴力に耐えきれない妻もいる。あるいは、優しくてきれいな人だと思って結婚したら途端に態度が変わり、家事はせず、外出ばかりで暴言を吐き、夫の財産を食いつぶしてしまう妻もいる。

 

初対面の印象がよくても、付き合ってみればかなり性悪なんてことはよくある話。こうした事態に直面して、狼狽し、落ち込み、悲しみ、情けなくなるが、それは事故のようなもの。さっさと別れて立ち直るしかない。次は、こんな目に合わないように気を付けても同じような目に合うこともある。

 

我慢していれば、何とかなるものではない。相手はますます増長して心身ともに疲れ切ってしまう。別れるのがいちばんの対策だが、相手が執拗に追いかけてくることもある。何しろ、相手にすればこんなに都合の良い奴隷はいない。相手の不幸を踏み台に自分の幸せを築く行為は悪魔のようである。

 

別れ、たくましく生きて、生きて、幸せになれば、つらい経験があればこその今があると思えるようになる。順風満帆な人生などでは味わえない魅力ある人になっている。つらい経験は自分を鍛え、磨き上げる。落ち込むことなく、なげくことなく笑顔で生き抜いてみれば見えていなかった景色を眺めるようになる。