忠孝一致
主君に忠誠を誓うことと親に孝行することは一致している。だから、しっかり親孝行して天皇や主君に忠誠を誓いなさいという教えで、孔子の教えである儒教の基本的な考えです。中国や韓国、日本でも親には孝行することが求められ、過度の負担や忍耐を要求することがあります。
社長や学校の先生は主君に値するから、彼らの言っていることは素直に聞き入れなさい。反抗は忠誠ではないから厳しく罰することも当然であるという考え。親の言っていることは素直に聞き入れなさい。それがどんなことであれ、従うことが親孝行であるという考え。
不正を働く会社の指示に従うことや上司の苛めに耐えることが忠誠でしょうか?親の言葉による暴力に耐えることが親孝行でしょうか?親の理不尽な理屈に振り回されることが親孝行なのでしょうか?しつけや訓練と言って子供の人権を無視する行為は許されるのでしょうか?
トップに忠誠を誓うには、トップに忠誠を誓っても後悔しないと思わせるものがなければ、堂々と間違いを正すことこそ忠誠です。それによって解雇されようとも人としての自分の生き方にそぐわなければ堂々と意見を言ってこそです。孔子だって失脚してからそう思ったはずです。
親に孝行するには、孝行したくなる親であるべきで、そうではない場合は、堂々と自分の意見を述べるべきです。間違っている場合は、堂々とその間違いを指摘して正すことが孝行です。それでなければ親の面倒を見ることはできません。母子家庭で育った孔子の母親は尊敬されたからこその考えです。
理想的な主君や親などいないのですから、堂々と自分の考えを持ち、自分の意見を述べて、逃げたいと思ったときは逃げる、離れていようと思ったときは離れる、それで何とののしられようとも自分を信じて非難中傷に耐えることこそ自立です。自分の道は自分にしか見えていないのですから。