逃げるが勝ち
体力の限界を超えると身体を痛めるのと同じように、我慢しすぎると心を病む。ケガをすれば完治するまでジッとしているように、心を病めば完治するまで何もしないでボーっとしているのがいちばんの治療になる。見た目にわからないので、頑張ろうとしてケガをひどくするように心を病んでいれば頑張ろうとしないこと。
ケガをすれば治療中にリハビリを始めるように、心を病めばリハビリとして旅行など環境を変えるようにすること。部屋にジッとしている期間がしばらく続けば、海外旅行など見ず知らずの人ばかりの土地に行くのも素敵な治療になる。自分と違った人の話を聞くのもいいだろう。ご当地の食事をいただくのもいいだろう。
心の我慢の限界はなかなか見えないのでやっかいだが、涙が止まらない、学校や会社に行くのが嫌になる、家から出ると胃が痛くなるなどは我慢の限界を超えているサイン。休学するなり休職するなり自分から申し出ることに躊躇するが、我慢すれば余計に自分を追い詰めることになる。学校や会社を辞めたって大した影響はない。
親に責められたって、上司に責められたって、追い詰められている自分を、それ以上に追い詰めることの方が危険。ガミガミ言われる環境から逃げ出して、励まされることのない誰も知らない街に行き、笑顔で挨拶できる見知らぬ人に会い、迷惑をかけっぱなしの人生こそ楽しいんだと笑いながら言ってくれる爺さんに出会うこと。