僕は、二度離婚を経験しており、二度ともに妻の方から離婚したいという申し出で、最初は稼ぎのない僕に愛想をつかし、二度目は仕事ばかりしている僕に愛想をつかして、浮気して出て行った。そのたびに、相手を責めることもできたが、僕は反省して自分磨きをしていた。稼ぎ力がないときは、稼げる自分になろうと努力したし、浮気された時には、浮気されないようにおもてなしをするように努力した。

 

浮気されると、激怒したり、狼狽したり、落ち込んだりしていても、余計に相手に嫌われるだけで、浮気されるということは、自分に落ち度があると思って、修正点を見つけて自分を磨けば、より魅力的になる。実際、二度目の離婚では、二年後、元妻から復縁の申し出があった。とても、嬉しかったが、喧嘩の時に浮気を理由に責めないとも限らないのでお断りした。

 

浮気されて離婚を言われた時は、素直に離婚届に署名捺印して、彼女が欲しいものは何でも喜んであげた。これまでいっしょに暮してくれたことに感謝していたので、悲しみ以外、何の怒りも憎しみもなかった。一度は帰ってきたが、浮気相手から電話があると、「ごめんなさい」と言って、また出て行った。僕は黙って仕事をするだけの男だった。

 

離婚を経験して、相手を責めている方を見かけるが、自分に非がないというのは間違いで、自分に魅力がなくなったから浮気されたのだと思うことだ。結婚当初は魅力的な男でも、結婚してから自分磨きをしないでいれば、どんどん魅力は失せていく。気が付けば、何の魅力もない男になっていたからこそ、魅力的な男性が現れ、そちらになびくのは自然なことだ。

 

悔しかったら男を磨いて見返すぐらいに魅力的な男になればいい。僕は、そう思って努力してきた。60年かかったが、女性から魅力ある男だと思われる男にはなれたと思う。仕事も人一倍できる男になろう、優しさも人一倍できる男になろう、見た目の良さも人一倍ある男になろう、健康管理も人一倍できる男になろう・・・そうして頑張っていれば悔しさより感謝できるようになる。