独立自尊こそ親孝行
僕は高校生の頃、卒業してからは自分のことは自分でやるように、生活費のことも自分で稼いで自分の力で生きるようにと父から言われた。大学は特別奨学生となり、アルバイトをしながら生活費を稼いでいたので、生活費を親に頼ることはなかった。就職してから、多額の借財を抱えたが、親に頼ることはなく自分で稼いで返済した。父親が58歳で退職してからは、僕が親の生活費をみるようにしていた。
大人になっても親に頼らずに自分の力だけで事を行い、自己の人格・品格を保つことは親の願いでもあるが、子供が中年になって贅沢な生活をしているのに親のすねをかじっている方をみるようになった。親より高級車に乗ってやって来て、親にお金の無心している姿は親孝行とは言えない行為だろう。むしろ、親よりも高級車に乗れる生活をしているのなら、親に何かしらプレゼントするぐらいであった方が人間らしい。
誰しもお金は欲しいが自分の思いだけで催促に動くのではなく、催促する相手が高級車に乗っていることをどのように思うのかを考えて行動するようになれば、こうしたことはできない。自分の思いが優先されて、相手の感情を無視した行為に及ぶようになると、その周りの人も良い印象を持たなくなる。つまりは、自分の人格や品格を下げる行為となってしまい、距離を置かれた付き合いしかされなくなるし、欲しい金銭も貰えなくなる。