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大きな口と小さな耳

2014-10-04 16.03.35

知識をたくさん身につけると、それをひけらかすことに快感を覚える人がいる。「君は、こんなことも知らんのか!」という言い方はまさにこの部類に入る。こうしたものの言い方をする人は他人の意見を小ばかにする癖を併せ持ち、他人を傷つけることに気が付かないでいると嫌われるようになる。

 

相手のあら捜しをしては、相手を責めることに喜びを見出している厄介な人もいる。相手のできないことや知らないこと、態度や物腰などを注意深く観察して、少しでも至らぬことがあると注意するが、こうした注意は相手に受け入れられることはなく、それならフォローしてあげる方が反省してくださることがわからない。

 

政治的あるいは宗教的信条を持つようになると、相手に同意を求めるようになり、自分の信条に合わない人を責めたり、バカにしたり、排斥してしまう人もいる。自分が納得していることや信じていることが相手に理解されないことにイライラしている。こうした人もまた、他人を傷つけ嫌われる。

 

知識や信条を身につけて、それをひけらかすことで他人を傷つけることもあると思えるようになると、話し相手の反応を観ながら話すようになる。自分の知識や信条を披露するより、相手の気持ちを大切にしたいので、話す言葉を選ぶようになり、言葉少なくなるが優しい言葉が増えてくる。

 

人の考えは、知識ばかりでなく、その人の経験や場所や時代によっても違ってくる。自分自身の考えも変化してくる。物事や話し相手のことを深く知れば知るほどに、浅はかなことを言ってしまったと反省することが多い。小さな口と大きな耳でいるぐらいがちょうどよいのかもしれない。

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