消滅する地方
今後30年間で人口が半減する自治体は774もあるが、現実にはすでに人口減少が続いており、今でも過疎になっている街は至る所にある。生まれ故郷の和歌山県有田郡湯浅町は、2000年には15000人いたのに、2025年では11000人、2050年には5000人と予想されている。
60年前、郡内一円からお買い物に来て賑わっていた街も、今ではすっかり寂れてしまい廃墟となった街並みになっている。少子高齢化でご高齢者の一人住まいが多いので空き家も多いが、これからもっと増えてくる。津波の心配もあり空き家などの不動産売買はあきらめムード。
地方では就職先が限定されるし、地方ならではの暮らしにくさもある。就職しても都会のレベルの給与は望めない。しかも、会社によっては昭和の遺物のような習慣や慣習が生きている。街の人も、昭和の習慣や風習が当然で、移住してきた人に押し付けてくる。なじめなければ村八分にされそうだ。
若い人が地方を離れて大都会に行くのも納得できる。政府の統計では若者がまだ地方にいる前提で予測しているが、あと30年後、ゴーストタウンになる地方はもっと多くなる。インフラの補修もできない自治体は、広範囲に人が住むことを維持できない。財政がひっ迫して自然消滅していく。
現在、60歳の人は20年で80歳、もう死んでもおかしくない年になる。彼らが街にいなくなれば…若い人が大都会に出て働く変化が続き、人口減少が止めらないとなれば…子供が街にいなくなればゴーストタウンは目の前…移住してもインフラの老朽化が加速し、修理できないとなれば…
東京一極集中なのは、交通の便が良くなり、情報もたくさん得るようになり、東京の給与水準が高いことを知り、ネットの普及で東京への就職が容易になり、企業も本社を東京に移しているからに他ならない。日本の人口が半減するならその傾向は益々強くなりそうだ。