足るを知る
人の欲望は限りなく、欲しいものが手に入ると、次のモノが欲しくなる。これで満足ということがなく、いつまでも欲望は膨れ上がっていく。投資でも、少し儲かれば、もっと儲かるのではないかと投資額を増していく。損をしても損失を取り戻そうと更に投資して投資のほとんどを失くしてしまう。
企業経営者も、ひとつの店舗で上手くいけば、もっと店舗を多くすればもっと儲かると思って巨額の投資をして店舗を拡大していく。借入金の返済が滞るようになっても拡大している計画はすぐには止められない。結局、倒産するまで店舗を拡大してしまうことがよくある。
恋人に甘えて受け入れられたから、もっと甘えても大丈夫だろうと思う。最初は恐る恐る甘えていたのに、甘えることを受け入れるのが相手の愛情だと勘違いして破局に至る。相手にすれば、甘えにも限度があり、その範囲を超えれば苦痛になり避けるようになるが言い出せないので破局になってしまう。
子供がもっと伸びるようにと励まして学習塾に行かせ有名中学に進学させようとする。子供もその気になって頑張るが、第一希望校に不合格になると、子供は親の期待に応えられない自分に落ち込んですべてを投げ出してしまう。激励は過度になると子供の心を破壊してしまう。
結婚当初はとても仲が良かったのに、徐々にやって欲しいことが増えてきて相手に期待する。許容範囲内であれば仲は良いままなのだが、それを超えてもやって欲しいことを要求してしまう。お互いに気まずい関係になり離婚してしまう。お互いにできる範囲は限られていることに気が付かない。
欲しいものがあってもお金がないからとあきらめず、借金して欲しいものを手にする。数日で他に欲しいものがでてきて更に借金して手にする。欲しいものに囲まれているのに他にも欲しいものを探している。借金が膨らみ返済しきれなくなり自己破産するまで買い物をしてしまう。