焚火を利用する
焚火を消して炭ができることにも気が付いただろうし、炭だと調理する時間も長くなる。炭を燃やした灰は、海草などにまぶすと保存できる。水をろ過することもできる。イモ類や野菜は海水で煮ると美味しくなるし殺菌もできる。海水を煮詰めれば塩が取れる。
生肉を食べれば栄養満点だが、すぐに痛み腐っていく。香草と一緒に焼くと甘みが増して美味しくなるし食べやすくなる。煙でいぶして燻製にすれば保存もできる。また、塩漬けにすれば肉は保存できる。
焚火をすれば下の土が固まり土器も作れる。土器を利用すれば煮物ができる。草やイモ類といっしょに魚や肉を煮詰めて鍋料理ができる。食生活は格段に富むようになり、いろいろな薬草を試すようになる。
炭の方が木よりも火力が強いことを知るようになると、石を溶かす火力があることを知る。1100度近くになると銅鉱石が解けて銅が産出できる。錆びても被膜となり鉄のように朽ち果てないし加工しやすい銅は貴重な鉱物資源になる。
砂に灰を混ぜて1700度の炉を造ればガラスの製造ができる。高温を維持するには炉の製造が欠かせない。坂道に沿って土を練って大きな部屋を作り、一番下で木をくべて炭をくべる。上の方は石英、石灰石、灰を混ぜて溶かす。
1500度もあれば鉄鉱石を溶かして鉄を産出することができる。硬くて工具を作るにはもってこいの金属。石を溶かすことができたときの驚きは如何ばかりかと思う。人類はこうして20万年をかけて今を創ったのだと思うと感慨深い。