太陽を観察する
太陽は、東から登って西に沈む。棒と縄さえあれば地面に棒を立ててその周りに円を描き日時計にすることができる。これを何日か繰り返し書いていく。すると、日陰になる棒の長さに変化があることに気が付く。
棒の長さが一番短いとき、真昼でもっとも暑く感じる。棒の影のトップの移動を線で描いていくと、春分と秋分には一直線になる。夏至と冬至にはもっとも湾曲した線になる。これを使えば正確な暦になると考えが及ぶ。
春分と秋分には太陽は真東から出て、真西に沈む。これで方位もはっきり確認できる。春分になれば種まきをすればよいだろうし、秋分になれば収穫の時期が近いことを告げてくれる。太陽を基準にすれば、季節の誤差はない。
夏至は昼の時間が最も長くなるし、冬至は昼の時間が最も短くなる季節になることも日時計の観察からわかる。棒の周りの円を24等分に区切って観察すれば時間も測れる。影は一定の間隔で移動するので1日を時間で区切ることもできる。
こんな基本的なことは、原始の人類も行っていただろう。何しろ、暇な時間はたっぷりある。月と太陽の観察だけで天体の不思議がわかり、焚火の明かりで石を二つ手にして影を追いかければ月が地球の周りをまわり、地球が太陽の周りをまわっていることも気が付く。
神殿は春分と秋分の時期がわかる建物にしようとするのもうなずける。人類20万年の歴史の中で、天体観測は身近な娯楽だっただろうし必要なことだった。簡単な道具だけで地球は丸いと認識していたかもしれない。