駅前再開発の誤算
地方都市では駅前の煩雑していた街を再生し、近代的なビルに2階までの商業施設と3階以上を事務所やマンションにした高層ビルを建てている。それまで駅前で暮らしていた地権者は商業施設に入って商売を続け、上の階で暮らす。
ただ、これまでと同じ仕入れて売る小規模店ではお客様の支持を得られず赤字経営で撤退する。しかし、空き店舗に入居するテナントが見つからないか、所有者に貸す気がないかでシャッターは閉めた状態になっている。
行政の方はできるかぎり穏便にまとめようとするため、新しいビジネスに対応した人気店より、地元で長年やってきた商店主を優先して入居させる。これが陳腐化の原因で、活性化するなら地権者は住居だけ手配するようにして容赦なく人気店に入居してもらうべき。
都会で修行してきた若者がこうしたテナントに入れず、さびれた場所でふるびた一軒家を借りお店を開いて人気店になっている姿をよく目にする。若い人にチャンスを与えられず、駅前商店街にいた人を優遇する行政の姿勢に問題がある。
行政主導で開発すると、メンテナンスがお粗末で、新たなテナントを誘致しようと積極的な誘致活動はしない。街の活性化は停滞し立派な建物だけが建っているだけになっている。第三セクターで運営するのではなく、民間の開発業者に運営を任せる方がまし。
行政は仕方なく図書館や会議室などにするが赤字が増えるばかりで税金の無駄使いになっている。地方自治体は最初の計画は立派でも継続して運営することは全く苦手。こうして無駄な建物が駅前再開発として日本全国に広がっている。